Abstract: Hasegawa Masako (2009)

フランス国立ギメ東洋美術館図書館所蔵の和古書について

フランス国立ギメ東洋美術館図書館と和古書コレクション:三人の収集家、今泉雄作、ポール・サヴァティエ、アンリ・リヴィエール。 1879年、ギメ博物館は設立者エミール・ギメの出身地であるリヨンでオープンした。さまざまな理由から、パリに移転され、1889年に国立ギメ東洋美術館として再オープンした。 ギメの構想では、「思想の工場」たるべく宗教博物館を設立することであった。そのため図書室は建物の中心、すなわち円形ホールに作られた。1876年に日本での宗教調査で持ち帰った仏教書などが核となる和古書コレクションは、図書館開館以来、収集家たちの寄贈や遺贈で充実してきた。

なかでも、ギメのリヨン時代に仏教書の翻訳などで貢献した今泉雄作の仏教書のコレクション、幕末に横須賀造船所の海軍医官として日本に滞在したP.A.L. Savatier の本草学関係のコレクション、印象主義とジャポニズムのはざまにあって、日本の木版画から強く影響をうけたHenri Rivière の浮世絵版画のコレクションは特筆に価する。

Abstract: Shyu Shing-ching (2009)

台湾大学図書館所蔵の日本研究文献から見た日本殖民史

台湾大学の前身は日本殖民地時代の台北帝国大学であるため、豊富な地域研究の日本語旧籍資料を収蔵している。1928年に設立された台北帝国大学は、1945年終戦まで五十年間に亘って、台湾の総合大学として、日本の台湾での教育責任を負いながら、日本政府の南進政策(南方研究)に合わせた「国策大学」としての役割も果たしていた。当時、台北帝国大学図書館の蔵書方針は、学術研究と教育のニーズに応じ、東洋の文史分野の中・日・西文の典籍資料を大量に収集していた。1945年10月15日を境に、台北帝国大学は台湾大学に改正され、図書・学術雑誌各種を受け継いで約四十七万四千余冊の出版物が台湾大学図書館の重要な資産になった。

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